病院紹介

5.他施設からの病理検体の診断件数

項目の解説

患者さんが病院に来られると、適切な治療のために適切な診断が必要となります。病理診断とは、患者さんの体から病変の組織や細胞を採取し、それを顕微鏡で観察して診断することで、確定診断として大きな役割を果たします。病理診断には、「細胞診断」・「生検組織診断」・「手術材料組織診断」・「術中迅速診断」・「病理解剖」などの業務が含まれます。

 

これらの診断は臨床医に報告され、良質の医療を提供することに生かされています。


従来より当院では、積極的に外部施設の病理組織標本の診断を行っており、地域医療の質向上に貢献しています。

 

定義・計測方法

 

年推移

 

 

 

 

2016(H28)年の組織診断件数は4,830件でした。そのうち、他施設からの総依頼件数は857件で、うち迅速診断数の件数が60件(7.0%)でした(グラフ1)。

当院の病理診断科には、病理専門医、細胞検査士が所属しています。病理医は全国的に少なく、がん診療連携拠点病院においても、13%の施設で常勤の病理医が不在というデータが出ています(平成21年9月 厚生労働省調査)。このような現状の中、当院が他施設から組織診断や術中迅速診断をコンスタントに受け入れ続けることで、病理医不在の中小施設でもある程度の手術や検査が実施可能となります。平成26年8月からは、バーチャルスライドを用いた術中迅速診断も開始しており、平成26年は4件、平成27年は10件、平成28年は6件実施しました。それは、患者さんがご自宅近くの施設などで安心して医療を受けられるという「医療の均てん化(※3)」へとつながります。私たちは、地域医療支援病院の病理診断科として他施設をサポートし、地域医療の質向上に貢献したいと考えています。

※1:迅速診断:術中迅速病理診断。外科的手術や内視鏡手術時に行われる病理診断。手術中に摘出した腫瘍が良性か悪性かを判断したり、取り残しがないか調べたりします。その結果によって適切な術式を選択することができ、大がかりな手術となったり、追加手術をせずに済み、患者さんの負担低減へとつながります。

※2:バーチャルスライド:病理組織標本をコンピューターに取り込みデジタル化したもの。電送可能な状態となるため、遠隔地でも病理組織標本の観察が可能となります。

※3:均てん化:「生物が等しく雨露の恵にうるおうように」という意味。全国どこでもがんの標準的な専門医療を受けられるよう、医療技術等の格差の是正を図ること。