SSH STCSaiseikai Shiga Hospital Stroke Center
脳卒中センター

 

当院の脳卒中診療の黎明期

済生会滋賀県病院の脳卒中診療は、1980年台初頭、2名の医師達によって始まりました。帰宅できるのは週に1~2回という過酷な労働環境でしたが、医師達は昼夜を問わず、ある時は達成感、ある時は無力感を噛み締めながら、年間数百件におよぶ脳卒中を診療してきました。 というのも、数分の診療の遅れが、脳卒中では重い後遺症や死亡に直結するからです。 たとえば、太い動脈が詰まると、数時間のうちに脳は回復不能の梗塞に陥ります。 血流が途絶えた脳では、毎分1900万個もの神経細胞が死滅するので、一刻も速く血流を再開通させる治療が望まれます。 また、大きな血腫(凝血塊)が脳幹を圧迫する脳出血では、わずか数分で呼吸が止まってしまうので、迅速に血腫を取り除く手術が必要です。

 

脳卒中治療への熱い思い

 現在の当院は、2台の高速CT、2台のMRI装置、2台の血管撮影装置、24時間稼働する無菌手術室を備え、複数の脳神経外科専門医と脳神経内科専門医が勤務しています。 ヘリポート、ドクターカーを備えた3次救命救急センターであり、京滋ドクターヘリの基地病院でもあります。 ただし、治療の成否を決めるのは、病院の規模や設備ではありません。 結局は人の力、すなわち全職員の緊密な連携と、救急診療に全力をつくそうとする決意です。 脳卒中の診療では、治療のパワーはもちろん、治療のスピードが何よりも重要なのです。 診療には、医師のほか、事務職員、看護師、検査技師、薬剤師、理学療法士など、様々な専門家の力を結集する必要がありますが、当院では、救命救急を全てに優先させるという開設以来のコンセプトが、全職員に受け継がれています。 

 

脳卒中診療のもう一つのカギは、急性期以後のケアです。 脳卒中は運動まひや言語障害などの後遺症とともに、肺炎などの重い合併症をもたらします。 これらの後遺症の軽減と、合併症の回避には、早期からの集中的、継続的なリハビリテーションが不可欠です。

 

2017年2月、当院ではStroke Care Unit(SCU)を備えた脳卒中センターを開設しました。 SCUとは、脳卒中専門医、看護師、理学療法士、薬剤師など、多職種の専門家で構成される脳卒中専門の病棟です。 ヨーロッパでは、SCUによって、合併症の併発率や死亡率が減少し、後遺症が軽減することが実証されています。 最速、最強の超急性期治療を、早期からの集中的なリハビリテーション、さらにはその後の回復期リハビリテーションに切れ目なく繋いで、一人でも多くの患者さんを救うことが、私達の責務です。

 

 

サイドナビ