SSH SPCSaiseikai Shiga Hospital Spine Center
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脊椎センターのご案内

脊柱は、7個の頚椎、12個の胸椎、5個の腰椎および仙尾骨からなり、椎骨と椎骨の間には椎間板と椎間関節が存在して、体を支える支柱としての働きと、運動(曲げたり、反ったり、捻ったり)を司っています。また、脊柱にはパイプ状の管(脊柱管)があって、その中に脳と四肢・体幹を結ぶ情報経路である脊髄神経が通っています。

 

外傷やスポーツ障害、加齢による脊椎の変形などで、首や腰の痛みや手足のしびれなどといった様々な症状を引き起こします。また感染症や内臓疾患が脊椎に波及して、腰痛を生じたり、四肢の麻痺を生じることもあります。脊椎センターでは、脊椎専門医がそれらの症状の原因を迅速に診断し、適切な治療を行います。

 

 

脊椎センター長 ごあいさつ

脊椎センター長 兼 副院長 竹下博志

骨・関節・筋などの障害や疾患を扱う整形外科の中で、従来から専門領域として脊椎脊髄疾患を担当してまいりましたが、この度脊椎脊髄病の診療に特化した体制として脊椎センターを開設しましたので、一言ご挨拶申し上げます。

当センターは、頚椎から胸椎・腰椎の外傷や変性疾患まであらゆる脊椎・脊髄疾患に対して、日本脊椎脊髄病学会に所属する医師(内、指導医2名)が中心となって治療に当たります。脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどの変性疾患では、手術という外科的治療よりも先ずはブロックなども含めた保存的治療を優先に、現在考えられる最良と思われる治療法の限界を検討しながら治療に当たる事を基本姿勢としております。同じ疾患でも人によって、年齢・性別・内科的な併存症・ADL(日常生活の活動性)などは決して同じではありません。人は誰もしなくて済むものなら手術は受けたくないのが本音でしょう。しかし、手術を恐れるあまりにそのタイミングを逸して、障害が大きくなってしまう事は絶対に避けなければなりません。当センターでは、患者さんひとりひとりの病態とご要望に寄り添ったオーダーメイドの治療を目指します。

 

近年の脊椎手術は大きく進歩し、顕微鏡や内視鏡(2016年新規ナビゲーションシステム導入)などを用い、背中の筋肉の損傷を最小限にするために筋間から進入し、脊椎骨をできるだけ温存した体への負担の少ない低侵襲手術を行うことが可能となり、その結果従来の手術と比較すると格段に術後の回復も早くなりました。個人差はありますが、多くの場合は手術翌日から歩行訓練などのリハビリテーションを開始します。

 

脊椎外傷の治療は、体の支柱としての機能の再建と、脊髄・神経麻痺の回復のために、できるだけ早期の手術を基本方針としております。しかし高所からの転落や交通事故などの高エネルギー外傷においては、全身状態などをきちんと評価した上で、時にはDCS(Damage Control Surgery:全身状態の回復を待っての手術)などタイミングを選び、最良と思われる治療法を提示します。一方、時間の経過した脊髄損傷による四肢麻痺などは、残念ながら現在の外科的治療では治せる訳ではありません。今現在困っておられる症状を多少なりとも軽減する薬物療法が中心となりますが、最近注目されているロボット技術による下肢装具(ReWalk®やHAL®など)を使った補助的歩行リハビリテーションなども今後導入を検討中です。

 

手術はあくまで最終手段です。保存的治療(薬物療法や神経ブロック、装具療法、リハビリテーションなど)で患者さんの症状が満足できるまでになれば、当然保存的治療を継続すべきでしょう。

 

脊椎の病気でお困りの方、手術を受けるかどうかで悩んでおられる方は、お気軽にご相談ください。その際には、これまでにかかられた医療機関からの画像データなどを持参していだければ、医療費の節約だけでなく比較的スムーズに治療法に関するアドバイスが可能となります。

 

 

診療担当医

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