SSH EMCSaiseikai Shiga Hospital Emergency Medical Center
救急救命センター

ドクターヘリの基地病院として

京滋ドクターヘリは関西広域連合の6機目として、4月28日から運航を開始しました。
京都府南部および滋賀県全域における「30分以内での救急搬送体制」構築の観点から、当院が基地病院に指定されました。

 

日本に初めてドクターヘリが導入されたのは2001年4月であり、2017年3月現在では全国41道府県に51機のドクターヘリが配備されており、京滋ドクターヘリが45機目となります。

滋賀県内全ての地域で30分以内の初期診療に対応

滋賀県では2011年4月から大阪府ドクターヘリとの共同運航が始まり、これまでに約60件の要請がありました。しかしながら、北部地域から要請した場合、30分を超えることから有効性が低く、適応事案も要請されない場合が多くありました。京滋ドクターヘリでは、滋賀県内全ての地域で30分以内の初期診療が開始できることになります。2009年に検討された需要予測では、年間約600件の適応傷病があることが分かっています。 とくに面積が広いにも関わらず重症患者の受入れ病院が少ない地域においては有効性が高いと考えられ、早期の運航開始が期待されていました。

 

 平成27年4月28日に就航式を迎え、京滋ドクターヘリが始動しました。今後の京滋ドクターヘリの活動にご期待ください。

 

> 【 ドクターヘリ・ドクターカー 】紹介動画はこちら

> ドクターヘリ(KANSAI・ゆりかもめ)見学会(毎月第2土曜日開催)について詳しくはこちら

京滋ドクターヘリについて

メーカー ユーロコプター社(ドイツ)
 機種名 ユーロコプター式EC135
全長 12.16m
全幅 10.16m
高さ 3.51m
巡航速度 約230km
定員 6名
京滋ドクターヘリ

 小児事案には小児救急専門医が対応します。
高島地域においては唯一の基幹病院である高島市民病院をランデブーポイント(ドクターヘリ離着陸場)として病院支援型の活動を行っております。

 

病院支援型の活動(高島地域)

病院支援型の活動(高島地域)では以下の搬送方法が実施されています。

活動方針

  • 覚知要請を原則としています。
  • 医師1名、看護師1名で出動します。(フライトドクター5名、フライトナース7名)
  • 重症外傷に関しては基地病院を中心として救命救急センターに搬送します。
  • 内因性疾病は原則として地域の基幹病院に搬送します。
  • 京都に出動した場合、京都府内の病院に搬送します。

要請消防機関

 

活動範囲

 活動範囲

ドクターヘリの活動

目的

医療従事者をいち早く現場に送り届けることが第一の目的です。

        1. 早期医療介入(現場から初期診療を開始)
        2. 救急科専門医による適切な初期診療
        3. 適切な病院を選定・搬送

 

効果

これまでは初期診療までに時間がかかっていた事案でも、現場に医師・看護師を投入することで初期診療が早く開始できます。また、地域で治療困難であった患者を早期に初期診療した上で、治療が可能な病院に早く搬送できます。

 

乗務員の1日の流れ

乗務員の1日の流れ 写真

7時30分に登院
7時45分から資機材・物品の点検・確認
8時20分 朝礼(ブリーフィング)
8時30分 運航開始
要請があればトランシーバーで連絡
要請から5分以内に離陸
日没30分前に夕礼(出動終了)

 

出動した場合の搬送方法

搬送方法 写真

必ず基地病院に搬送するわけではありません。3つの搬送方法があります。

        1. ヘリで現場直近の病院に搬送する
        2. 救急車に医師・看護師が乗り込んで現場直近の病院に搬送する
        3. 救急車だけで現場直近の病院に搬送する

 

有効とされる傷病

ドクターヘリが有効とされるのは主に以下4つの傷病です。

  • 重症外傷
  • 心臓・大血管疾患
  • 脳卒中
  • ショック状態

~過去の傷病例~

急性冠症候群

  • 山間地からのヘリ要請。
  • 陸路、緊急カテーテル検査が可能な病院に搬送した場合、かなりの時間を要する。
  • 現場で心電図、心エコーを行い急性冠症候群であることを診断した上で、救命救急センターに連絡を入れて循環器内科医に心カテの準備を指示。
  • ヘリが要請されてから心カテ室に入るまでに1時間。

登山中のCPA

  • ドクターヘリと合流した時点で自己心拍は再開していたが意識レベルはJCS 300。
  • 現場で気管挿管、人工呼吸を開始しドクターヘリで直近の救命救急センターに搬送した。
  • 現場は山中で救命救急センターまでかなり遠く、ドクターヘリにより医療介入が20分早まった。
  • CPAは自己心拍が再開しても低酸素状態が続いた場合、大きな後遺症を残す可能性が高い。
  • ※CPA…cardio pulmonary arrest。心肺停止。 ※JCS…Japan Coma Scale。日本で主に使用される意識障害の深度(意識レベル)分類。

ゴルフ場での心肺停止

  • 救急覚知から2分後にヘリ要請、覚知から17分後に救急隊よりも早く患者接触。CPAであり、末梢確保、気管挿管、アドレナリン投与を施行。
  • 救急隊は覚知から26分後に到着。一緒にCPRを行いながらヘリに収容した時点でROSCを確認(覚知から39分後)。直近救命救急センターに搬送し、AMIの診断でCAG、PCIを施行。
  • ゴルフ場への出動でヘリが救急車よりも先に現場に到着した事案。有効性が非常に高かった症例。

※CPA…cardio pulmonary arrest。心肺停止。 ※JCS…Japan Coma Scale。日本で主に使用される意識障害の深度(意識レベル)分類。 ※CPR…Cardio Pulmonary Resuscitation。心肺蘇生法。 ※AMI…Acute Myocardial Infarction。急性心筋梗塞。 ※CAG…Coronary Angiography。冠動脈造影。 ※PCI…Percutaneous Coronary Intervention。心臓カテーテル治療。

小児の痙攣(けいれん)重積

  • 救急隊現着時に痙攣が持続していたためヘリを要請(救急覚知から14分後)。覚知から27分後に患者接触、痙攣が持続しており末梢確保しセルシンを投与した(現場滞在20分)。
  • いったん鎮痙するも再発したため、再度セルシン投与しヘリで基幹病院に搬送。覚知から約60分後に小児科医の診察開始。
  • 痙攣が持続しており、早期医療介入およびヘリでの搬送が有効であった症例。

重症外傷、外傷性ショック

  • 基幹病院から離れた僻地での交通事故例。左大腿部にガードレールが突き刺さっており救助に時間を要した。
  • 救急覚知から8分後にヘリ要請、ランデブーポイント(ドクターヘリ離着陸場)から現場まで支援車で医師・看護師が移動。救急覚知から50分後に患者接触。救出中から治療開始(滴)。
  • 救出終了時(覚知から92分後)、左大腿は離断しておりショック状態、ヘリで搬送。
  • 僻地(へきち)で救出に時間がかかった外傷事案であり、現場への医師投入が有効であった症例。

アナフィラシキーショック

  • 蜂に刺されてショック状態。救急覚知から5分後にヘリ要請、覚知から26分後に患者接触。
  • 接触時、意識レベル JCS 10、血圧測定不可の状態であり、直ちにアドレナリン注射施行。その後、末梢確保し点滴開始。
  • 救急車内で治療を継続しながら、基幹病院に搬入(現場滞在12分、搬送9分)。
  • 医師による早期治療(アドレナリン投与)が有効であった症例。

※JCS…Japan Coma Scale。日本で主に使用される意識障害の深度(意識レベル)分類

関連リンク

サイドナビ