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腎がんには、特徴的な症状はありません。そのため、小さいうちに発見される腎がんは、他の病気のための検診や精密検査などで、偶然に発見されるものがほとんどです。
腎がんが大きくなると、血尿が出たり、背中・腰の痛み、腹部のしこりなどが生じたりすることもあります。
がんを取り除くために、がんが生じている部位の腎臓を部分的に切除する術式です。残った腎臓の機能を温存できるという利点があり、長期的な視点でみたときに、腎機能の低下とそれ に伴う合併症への影響を小さくできることから、より好ましい術式であると考えられています。主に4cm以下の小さな腎がんの場合に選択されます。ロボット支援下腎部分切除術は、従来の腹腔鏡手術や開腹手術に比べてより繊細で、正確な手術を行うことができ、根治性および術後の腎機能温存において優れています。
ロボット支援下腎部分切除術は、主に4cm以下の小さながんの場合に選択されます。がんが生じている部位の腎臓を部分的に切除する術式であり、残った腎臓の機能を温存できるという利点があります。
腹部にポートを設置(切開穴は5~15mmで、全部で6カ所)し、カメラポートの切開穴は最後に組織を取り出すため約3cmとなります。
腎臓に血液を送っている腎動脈を露出し、阻血鉗子が使えるように準備します。
腎がん周囲にある脂肪を取り除き、専用の超音波プローブで観察しながら切除予定ラインを決定します。
腎動脈を一時的に阻血し、腎臓に切り込みを入れて、腎がんを含む腎臓を部分的に取り除きます。
露出した尿の通り道や血管を縫合したうえで腎動脈の阻血を解除します。
手術時間は概ね約3~4時間を予定しています。
ロボット支援下腎部分切除術はCT画像から再構築した血管構築を解析して(図左下)、腫瘍を栄養する血管を遮断し、安全に腫瘍を切除することが目標です。腫瘍の位置と専用のプローブ(図上)を用いて超音波画像(図右下)でリアルタイムに確認し、がんの取り残しを防ぎます。ロボットのはさみは自由に動かせるので最適な角度で腎に切り込みを入れることが可能です。
傷が小さく、痛みが軽度
従来の開腹手術に比べて、傷が小さく痛みが軽度です。
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出血量が少ない
出血量が少なく、輸血はほぼ不要です。
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術後の回復が早い
術後の回復が早く、手術後2日目から自力で歩いたり、食事をとることができます。平均的な入院期間は10日間です。
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すぐれた腎機能温存
従来の腹腔鏡下手術と比べて腎動脈の阻血時間も短く、術後の腎機能の回復も良好です。
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全身麻酔が困難な場合や、腎機能の低下を最小限に抑えたい場合には、当院で腎凍結療法を行うことが可能です。
周囲臓器損傷1%以下の低い頻度ですが、腸や尿管を損傷することがあります。通常手術中に修復できますがごくまれに一時的な人工肛門が必要になることがあります。
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感染症通常手術後2~3日は発熱します。発熱が持続する場合でも一般的には抗菌薬の投与で軽快します。まれに感染などによって傷が開くこともあります。
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深部静脈血栓症による肺梗塞この合併症を予防するために、手術中には下肢に弾力性のあるストッキングを着用し、間歇的圧迫装置を下腿に装着して使用します。
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皮下気腫内視鏡操作の合併症です。二酸化炭素が皮膚の下にたまって不快に感じることがありますが、数日で自然に吸収されます。
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術後の腹膜炎小さな腸の傷に気がつかなかった場合、後で腹膜炎となり、再手術が必要になる場合があります。
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上記はあくまで順調な術後経過の場合であり、実際の術後経過には個人差があります。また腸管などに損傷が起こった場合などは食事の開始は遅れます。術後の腎機能や全身状態の回復にも大きな個人差がありますのでご了承ください。
他院にて検査・診断された方は、担当先生にお願いして紹介状と病理診断および画像情報の資料を用意してください。
必要資料を検討し、再度外来担当医より治療の説明をさせていただきます。説明を受けられ、治療を希望されれば、治療の日程を決めさせていただきます。
全身麻酔のリスクをチェックするため、血液検査、心電図、呼吸機能検査、胸部および腹部X線検査を行います。麻酔科の術前外来を受診していただき、麻酔についての説明を聞いていただきます。また周術期の口腔ケアのために、歯科を受診していただきます。
麻酔科、歯科受診に合わせて主治医より手術についての細かい説明を聞いていただきます。ご家族、お知り合いの方の同席をお願いしています。
手術前日に入院、当日はご家族、お知り合いの方の来院をお願いしています。術後2日目より歩行が可能ですので、付き添いは必ずしも必要ではありません。