脳卒中センター長
診療部長
脳神経内科
藤井 明弘
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脳卒中センターで活躍する医師たち
済生会滋賀県病院の脳卒中診療は、質・量ともすでに滋賀県のトップクラスに位置します。
しかし、我々は進化を止めていません。
2021年1月よりSCUを6床から12床(滋賀県最大規模)に増床し、コロナ感染禍においても脳卒中診療を制限していません。
脳卒中診療をできるだけ正確に速く提供できるように、24時間365日、脳卒中の専門医が常駐し、少しでも治療開始までの時間短縮ができるように日々工夫し努力しています。
2020年に循環器病対策推進基本計画法を国が閣議決定してから、各都道府県で計画が練られ、滋賀県も2022年3月に『県民一人ひとりが輝ける健やかな滋賀の実現〜循環器病の理解と行動、切れ目のない医療や支援、自分らしい暮らしの継続〜』を基本理念に滋賀県循環器病対策推進基本計画を策定しました。
本計画の脳卒中診療に関しては、脳卒中発症予防、発症後の救急体制・超急性期治療、その後のリハビリテーション、維持期での生活と幅広い領域での施策が求められています。
この滋賀県の計画を踏まえ、脳卒中診療における当院の役割は、「積極的な超急性期治療」「SCU整備」「適切な再発予防」「切れ目のない回復期リハビリ病院への連携」の4点が挙げられると思います。
この超急性期治療には、脳梗塞に対する血栓溶解療法(t-PA)・カテーテルによる血栓回収療法、脳出血に対する血腫除去術が当てはまり、特に近年カテーテルによる血栓回収療法の重要性が高まっています。
当院では、カテーテルの専門医(脳神経血管内治療専門医)を有し、カテーテルによる血栓回収実績数でも滋賀県トップクラスです。
これらの治療はスピードも大事で、当院では医師・看護師を含めて様々な専門家の力を結集し、治療までの時間短縮に取り組んでおります。
SCUスタッフステーション
急性期の脳卒中の患者さんを受け入れる専用の病床で、脳卒中の専門知識を持つ経験豊富な医師・看護師などで集中的に治療します。
脳卒中は脳だけを管理するのでなく、全身管理が重要で、SCUで治療管理することにより死亡率低下・後遺症軽減効果が実証済みです。
また、当SCUには専任のリハセラピストを配置しており、脳卒中の専門的治療直後より、超早期の積極的なリハビリテーションを行っています。
当院は、滋賀県最大規模の12床のSCUを有しており、より上質の脳卒中治療体制を提供しています。
脳梗塞診療においては、適切な脳梗塞病型の診断と、その病型にあった抗血栓薬の選択が大事になります。
当院では、採血、脳画像検査など駆使して精度の高い脳梗塞病型の診断に心掛けています。
特に、奇異性塞栓機序や大動脈原性塞栓機序の病態を鑑別するには、経食道心エコーの実施が必須で、当院では脳神経内科医自ら経食道心エコーを行っています。
SCUでの朝のカンファレンス
脳卒中パス連携カンファレンス
脳卒中診療においては、後遺症軽減のためのリハビリテーションを継続的に行うことが大事です。
幸い、我々の位置する湖南圏域は多数の回復期リハビリテーション病院が存在し、リハビリテーション病床不足を心配する必要はありません。
大事なことは、これらの回復期リハビリ病院と切れ目なく連携することです。
当院では、2016年より甲西リハビリ病院、南草津病院と『脳卒中パス連携カンファレンス』を週に1度開始(当院にて、両病院の院長・地域連携担当者を含めた情報提供カンファレンス)し、顔の見える関係を構築しています。
2020年には済生会守山市民病院がこの『脳卒中パス連携カンファレンス』に加わりました。
さらに今回のコロナ感染禍により、オンライン会議に変貌を遂げ継続しております。
24時間365日、いつでも脳卒中の専門医が最強・最速の脳卒中診療を提供し、超早期から積極的なリハビリテーションを行い、脳卒中治療専門のSCUで管理し、リハビリテーションが必要な患者さんには回復期リハビリ病院に切れ目なく繋いで、一人でも多くの患者さんを救うことが、私達の使命だと思っています。