SSH STCSaiseikai Shiga Hospital Stroke Center
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脳卒中センター長 脳神経内科主任部長

藤井 明弘 

 

脳神経内科の紹介

脳神経内科は、虚血性脳卒中(脳梗塞・一過性脳虚血発作 : TIA)を主に治療しています。 2人の医師は脳神経内科専門医・脳卒中専門医資格を有し、武澤副部長は脳神経血管内治療専門医の資格も有し、ヨーロッパ最大の症例数を誇るフランスの血管内治療施設 ( Fondation Ophtalmologique Adolphe de Rothschild, パリ )に臨床留学して、世界最先端の技術を研鑽してきました。 脳梗塞・TIAの患者数は年々増加しており、2016年(1月~12月)は約270例でした(図1)。

脳梗塞の超急性期治療

脳卒中診療では、発症後の速やかな救急搬送、急性期病院での専門的治療、早期からのリハビリテーションを切れ目なく繋ぐことが重要です。当院の患者さんは、救急集中治療科によるドクターヘリ・ドクターカーで素早く搬送され、その後の急性期治療を我々が担当します。脳梗塞の超急性期治療としては、 (i) 血栓溶解療法(recombinant tissue-type plasminogen activator: rt-PA)(ii) 血栓回収デバイスを用いた脳血管内治療があります。血栓溶解療法(rt-PA)は、血栓溶解剤を点滴静注する治療です。治療を早く始めるほど効果があり、脳卒中治療ガイドライン2015でも、発症4.5時間以内に開始することが推奨されています(推奨グレードA)。 日本では2005年から使用可能となっており、すでに10年以上の歴史があります。2015年度、当院では23例に血栓溶解療法を施行し、県内では最多数です(日本脳卒中協会調べ)(図2)。 一方、通常の血栓溶解療法では再開通しにくい大血管閉塞に対しては、血栓回収デバイスを用いた脳血管内治療が可能になっており、当院でも積極的に施行しています(脳神経血管内治療の項を参照)。

 

脳梗塞の病型と治療

超急性期以後の脳梗塞症例に対しては、その後の悪化や再発を抑えるための抗血栓治療が重要です。 抗血栓治療には、血小板の働きを抑えて血栓ができるのを防止する抗血小板療法とフィブリンができるのを防止する抗凝固療法があり、脳梗塞の病型に応じて治療法を使い分けます。 脳梗塞の病型には、3大病型といわれるアテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、ラクナ梗塞があり、それ以外に、奇異性塞栓症、大動脈原性塞栓症などの病型があります。 病型毎に抗血栓薬の選択が異なり、病型の判断を間違え、適切な薬剤を選択しないと、何度も脳梗塞の再発を繰り返すことになります。そのため当科では、脳梗塞の発症機序(脳梗塞病型)の精査にも力を入れています(図3)。 発症機序を同定するためには、心電図、脂質系や凝固系の採血はもとより、頸部血管エコー、経胸壁心エコー、ホルター心電図、下肢静脈エコー等が重要です。 また、奇異性塞栓症、大動脈原性塞栓症を診断するためには、経食道心エコーが必須になります。 当院は、経食道心エコーを脳神経内科医が施行する県内では数少ない施設です。 2015年度は、87件の経食道心エコーを施行しています。

 

脳卒中の治療では、リハビリテーションも極めて重要で、当科ではリハビリ専従医・リハビリセラピストとの合同回診を行い、連携している回復期リハビリ病院と「脳卒中連携パスカンファレンス」も1回/週開催しています(リハビリ専門病院との連携の項参照)。 脳卒中の診療では、患者さんの速やかな搬送、搬入後の迅速かつ強力な超急性期治療、原因検索とその後の再発予防、早期からの積極的なリハビリテーション、その後の回復期リハビリテーションを切れ目無く継続することが不可欠です。 これからも、職域の壁を超え、様々な専門家の力を結集させて、より早く、より効果的な脳卒中診療システムを構築していきます。

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