SSH STCSaiseikai Shiga Hospital Stroke Center
脳卒中センター

 

 

脳卒中センター副センター長

脳神経外科主任部長

岡 英輝

 

 

 

 

 

 

 

 

脳神経外科の紹介


脳神経外科では、出血性脳卒中(脳出血、くも膜下出血)を主に治療しています。

当科は1981年に栗東の地に開設し40年が経ちました。

その間に27000人を超える入院患者の診療と9000件以上の手術を行ってきました(2022年4月現在)。

交通の要所にある当院は開設当時より救急疾患が多く、くも膜下出血や脳出血などの脳卒中の手術を多く手がけてまいりました。

滋賀県循環器病対策推進基本計画では、出血性脳卒中の医療提供体制の目標として、『くも膜下出血の手術ができる』と掲げており、当科は開設以来すでに1500件もの脳動脈瘤の治療実績を誇ります(2022年4月現在)。

手術指導医は欧州の大学病院で手術の研鑽を積み、迅速、正確かつ可能な限り侵襲の小さな手術をモットーとしています。最近の手術は開頭範囲がかつての1/3以下で平均6時間であった手術時間が2時間弱に短縮され、美容面でもキズが目立たなくなっています(図1)。

 

 

くも膜下出血の治療



 くも膜下出血の原因としては脳動脈瘤や脳動静脈奇形の破裂があげられます。再破裂を来たすと、致命的となる可能性が高い病気であるため、緊急でクリッピング手術を行い、再破裂を予防する必要があります(図2)。

最近のテレビ等による健康意識の高まりの影響もあってか脳ドックを受けられる方が増えています。

それにより未破裂の脳動脈瘤が見つかった場合、破裂する前に治療を希望される方が増えて来ました。

以前までは当院では大きく開頭してクリッピング術を行うことが多かったのですが、2010年にスタッフがフィンランドのヘルシンキ大学への留学以降、小開頭でのクリッピング術を主に行うようになりました。

手術時間、入院期間共に圧倒的に短縮され、美容上も以前の手術より手術の痕跡が目立たなくなっています。

また血管内治療によるコイル塞栓術も増加傾向にあります。

また特殊なバイパス(腕の血管を利用したハイフローバイパス)の技術を利用して、極めて大型の動脈瘤(図3)の治療や、血豆状動脈瘤といったクリッピングやコイル塞栓術が行いにくい症例の治療も行っています。

 

 

脳出血の治療

脳内出血は脳内の被殻や視床、小脳、皮質下、脳幹部などに起こりやすく、高血圧や喫煙が主な原因であります。

破壊性病変のため、現在の医療技術を持ってしても後遺障害を免れないことがあります。

それでも急いで血腫を除去して減圧すれば、救命率を改善させ、後遺障害を軽減できることもあるため、様々な工夫をして手術を行っております。

基本的には手術室で全身麻酔下に開頭血腫除去術を行うことが多いのですが、少しでも急ぐ場合には局所麻酔下に穿頭術で行える神経内視鏡下血腫除去術を行ったり(図4)、さらに急ぐ場合には救命救急センターで開頭血腫除去術を行ったりしています。

 

 

予防的治療

脳卒中急性期の手術以外にも、予防目的の手術も行っています。首の血管(頸動脈)の狭窄は脳梗塞の原因となります。

脳梗塞を発症されて頸動脈狭窄が見つかった方や、脳ドックなどで発症前に頸動脈狭窄が見つかった方には頸動脈内膜剥離術を行っております。

また症例によっては頸動脈ステント留置術を行っております。

水曜日に専門外来(担当:横矢部長)を開設しております。また前述のくも膜下出血の原因となる脳動脈瘤や脳動静脈奇形が、脳ドックなどで偶発的に見つかることがあります。

大半は経過観察で可能な症例が多いのですが、破裂する前に治療を行なうことも出来ます。

金曜日に専門外来(担当:岡)を開設しております。

 

 

 

 

 

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