ドクターカーとは、現場に医師・看護師を派遣し、消防本部と協力して病院到着前から診療を開始するシステムです。当院は平成23年9月に湖南広域消防局と協定を締結し、滋賀県では初めての試みとなるドクターカーの運用を開始しました。
心肺停止患者の蘇生率の向上、重症外傷患者の救命率向上、重症患者の後遺症の軽減などを目的としており、現場到着までの時間は患者の命を救うための重要な指標となります。
※出動前キャンセルとなった事例を除く
参考値
出典:厚生労働省「ドクターカーの運用事例等に関する調査研究事業」令和6年度
2023年度のドクターカー要請の「119番通報からドクターカーで患者接触までに要した時間」は15分でした。全国平均の19分より早い時間となっています。
グラフ2は、「119番通報から病院等に収容するのに要した時間」を救急車の全国平均・滋賀県平均と当院のドクターカーを比較したものです。ドクターカーで到着し、医師が診察を開始することは、救急隊が病院へ搬送した時間と同じ意味となります。ドクターカーの出動がいかに短時間で医療に結びついているかが分かります。
滋賀県湖南地域(草津市、栗東市、守山市、野洲市)の3次救命救急センターである当院は、湖南地域を管轄する湖南広域消防局と協定を締結し、メディカルコントロール協議会の承認を得て、湖南地域の各救急告示病院と協力しながら運用しています。
119番通報時に重症と考えられるキーワードに該当した場合、救急車を現場に出動させると同時に当院にドクターカーの出動要請が入ります。ドクターカーには救急医、救急部看護師、救急救命士が乗り込み、現場に向かいます。平成26年2月からは、甲賀地域にも運行範囲を拡大しています。
今後も一人でも多くの重症患者さんを救命するために、取り組んでいきたいと思います。
※ドクターカーは、一般市民からの要請は受け付けておらず、消防や診療所などの医師が要請します。