病院紹介

2.栄養サポートチーム介入総数

項目の解説

栄養サポートチームとは、職種の壁を越え、栄養サポートを実施する多職種の集団(チーム)のことです。病気の早期回復や医療の質の向上において、栄養管理は重要です。低栄養状態の入院患者さんを対象に、栄養状態を判定し、個々の症例や患者さんの各疾患治療に応じた栄養管理方法を提言することで、治療、回復、退院、社会復帰等を図ります。これらを多職種で構成されたチームで実施(チーム医療の一環として栄養管理)することで、治療効率を高めます。


本指標は、介入した患者総数から、患者中心の医療の実現を評価しています。

 

 

定義・計測方法

※患者さん1人に対して数回介入した場合も各々回数に含む

 月毎の介入総数の期間総和

 

年度推移

 
※1)栄養サポートチームが介入した場合、「栄養サポートチーム加算」という診療報酬上の評価がありますが、カンファレンス1回当たり30名までしか評価されません。しかし、当院では栄養サポートが必要と判断された全ての患者さんに栄養サポートチームが介入しています。

 

 

当院では、2004年から栄養サポートチーム(NST:nutrition support team による栄養サポート活動を行っています。栄養サポートチームNSTは医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、作業療法士、医事課事務員の多職種により構成しています。

平成28年度のチーム介入患者総数、カンファレンス1回当りの介入患者数ともに、昨年度を下回りました。一つ目の要因として、NST介入の必要性を判断する栄養障害のスクリーニング評価の質が向上したことがあげられます。 NSTは、低アルブミンや摂取不良の患者さんなどに対し介入していますが、一時的な摂食不良状態の患者さんなど比較的軽度な患者さんへの介入も多く含まれていました。そこで看護師向けに低栄養や検査値の見方の勉強会を開催することで理解を深めてもらい、従来アルブミン値が低値であればNSTへ依頼したケースでも、勉強会後は患者状態と疾患などから総合的に判断してNSTへ依頼できるようになり、本当にNST介入が必要な患者さんへ介入することが可能となりました。その結果、初回介入で終了した件数は、2014年の183件から、2016年では112件に減少し、逆に入院中に数回のNSTの介入が必要な重症患者さんへの介入に重点を置くことができ、4回以上(およそ1ヶ月)介入が必要だった患者数は、2014年が130件、2016年では161件と増加しました。二つ目として、当院では、平成28年度からタイムリーでより細やかな質の高い栄養サポートを目指し、管理栄養士の病棟配置を開始しています。管理栄養士が病棟にいることで、医師や看護師が栄養管理についてタイムリーに相談することができるため、比較的軽症の患者さんのNSTへの介入依頼が減少し、NSTではより重症な患者さんに対応できていることから、管理栄養士の病棟配置の効果が表れた結果ではないかと考えています。

栄養不良状態とは 栄養素が量的、質的に不足することにより、正常な代謝が行われなくなる状態です。栄養不良は食事摂取不足や代謝の変化により起こり、筋肉などの体組織の減少や免疫機能低下やストレスホルモンの過剰分泌などの異常を来します。 栄養不良の患者は、術後の感染症など合併症が多く、また創傷の治癒は遅いので、入院期間が長くなり、予防のために適切な管理が必要です。

入院時の栄養評価は看護師や管理栄養士によるによる栄養障害のスクリーニング評価(SGA Subjective global assessment 主観的包括的評価)や、臨床検査技師による低たんぱく血症者のスクリーニングにより行います。対象者に毎週金曜日にNST回診を行い栄養状態を評価し、治療方針を検討しています。

各病棟のNST責任者の看護師とNSTメンバーで月1回の会議を行い、症例検討会と勉強会を行っています。職員への勉強会はNSTメンバーと、外部講師を招聘し、定期的に開催しています。

NST介入により創傷の治癒が早くなり、また合併症が減少し、入院期間も短縮できる事が多くの施設で確認され、2010以降は国の指導により、病院でのNST稼働が推奨されています。当院では、入院中の患者様に適切な栄養管理を提供し、より良い医療が受けられます様に、NST活動を推進しています。

また、当院では抗がん剤加療中の患者において、栄養管理はがんの治療によって起こりえる合併症を緩和、予防しえる支持療法である事から、がん治療中の患者様に対しても適切な栄養指導を行っています。