病院紹介

2.がん患者リハビリテーション実施数

項目の解説

近年、我が国では高齢化に伴い、2020年に新たに診断されたがんは男性534.814例、女性410.238例で総数は約100万例であり一部のがんを除き、がん患者数は増加しています。

 

しかし、2023年にがんで死亡した人は男性221.360人、女性161.144人で総数は約38万人であり、早期診断・治療など医療技術の進歩から、多くのがんの死亡率は年々減少傾向にあります。2009年から2011年に診断されたがん患者さんの5年生存率は、男性62.0%、女性66.9%と改善しています。従ってがん治療を終えた、あるいは治療を受けつつある患者さんは増加傾向にあり、がんが“不治の病“であった時代から、”がんと共存“する時代になりました。

 

近年では、がん自体に対する治療のみならず、症状緩和や心理・身体面からのケアから療養支援、復職などの社会的支援の重要性が指摘されています。この新しいがんと共存する時代の医療のあり方として、特にリハビリテーションの必要性が強調されています。

 

がんに罹患すると日常生活動作(Activities of daily living:ADL)に制限を生じ、生活の質(Quality of life: QOL )を低下させてしまいます。がんのリハビリでは、これらの問題に対して、二次障害を予防し、機能や生活能力の維持改善を図ることを目的としています。

 

定義・計測方法

※当該年度中の複数回の入院で当該リハビリテーションを実施している患者は、その入院ごとに「1」とカウントしている。

 

 

年推移

 

 

 

当院では平成25年3月よりがん患者リハビリテーションを行っています。

現在、医師8名、看護師5名、理学療法士(PT)14名、作業療法士(OT)4名、言語聴覚士(ST)2名が、がん患者リハビリテーション研修を終了したスタッフが従事し、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士と連携し、患者さんの情報共有を行い、がん治療前から体力低下予防目的にリハビリテーションを行える体制を整え、がん患者リハビリテーションに関わっています。

昨年度がんリハビリテーション実施数は1198人となりました。また対象患者数も年々増加傾向であり、高まるがんリハビリテーションのニーズに対応できるよう体制を強化していきたいと考えます。

文責:リハビリテーション技術科 がんリハビリチーム