病院紹介

3.大腸がんに対する腹腔鏡下手術実施率

項目の解説

大腸がんの手術は近年大きく進歩を遂げており、低侵襲で整容性にも優れた腹腔鏡下手術が急速に普及しています。腹腔鏡下手術の利点としては、身体を切る範囲を非常に小さくして、術後の痛みを減らしその結果回復を早め、より少ない日数で退院し社会復帰できることが挙げられます。

 

当院では10年以上前からがんの低侵襲手術を導入し、術後疼痛の軽減、早期回復、早期社会復帰、精神的経済的負担の軽減を目指しています。

 

 

定義・計測方法

院内がん登録データを使用し、診断年でカウントした。

他施設治療後の追加切除は件数に含め、以下を除外

  ※1)腹腔鏡下手術から開腹手術へ移行となった症例。
  ※2)内視鏡的切除術と姑息的手術。
  ※3)カルチノイド、NET、GIST、悪性リンパ腫。

 

 

年推移(グラフ1)

 

 

 

 

当院のこの5年間の大腸がんに対する腹腔鏡下手術の割合は、約80%~90%前後で推移しています(グラフ1)。

当院には、日本内視鏡外科学会の消化器・一般外科領域技術認定医が在籍しており、大腸がんの中では技術的に難易度が高いとされる直腸がんに対しても積極的に腹腔鏡下手術を行っております(グラフ2)。

また、当院では体への負担の少ない腹腔鏡下手術のメリットを最大限に生かすために、周術期管理に関しても最新のプロトコールを取り入れて行っており、術後の速やかな回復によって従来よりも入院期間を短縮し、早期の社会復帰を実現しています。

更に、平成30年度の診療報酬改定に伴い、手術支援ロボット(ダビンチ)の保険適応が拡大したことをうけ、平成30年8月より直腸がんに対するロボット支援手術を導入し、2021年は15件実施しました。

このように、当院の大腸がん手術ではがんを確実に治療するだけでなく、新しい技術を取り入れながら少しでも患者さんの負担の少ない手術を考えるようにしています。

※胃がんやがん以外の胆嚢結石、虫垂炎や鼠径ヘルニアなどの良性疾患に対しても腹腔鏡下手術を積極的に実施し、当院外科で実施している腹腔鏡下手術は、年間約400件を超えています。