病院紹介

1.院内死亡率

項目の解説

当院を利用された患者さんの中で死亡された割合を示しています。死亡率は、病院の努力で下げられる部分と、重症疾病の増加や高齢化によって上昇する部分があります。

 

したがって、他の病院と数値のみを比較・評価するより、自院の数値を経年的に着目し、改善の余地を検討、医療の質向上を図ることが重要であると考えています。

 

 

 

① 粗死亡率

定義・計測方法

※ 救命救急入院料を算定する外来死亡患者さんを除く

 

年次推移

参考値
出典 :2022年度QIプロジェクト結果報告 社団法人日本病院会「No3死亡退院患者率」の中央値

 

  

② 精死亡率

定義・計測方法

 

年次推移

 

 

当院のように救命救急センター機能を有し、重症の患者さんを多く受け入れている病院では、比較的軽症の患者さんを受け入れている病院より死亡率が高くなる可能性があります。

精死亡率は、入院以前の問題によるところが大きいと考えられる入院後48時間以内の死亡を除いた割合で、治療の結果の評価をする場合は、精死亡率を用いた方が良いとされています。

当院は、入院患者数や重症患者さんが年々増加しており、更に高齢化などが要因となり、院内急変や院内死亡数が増加傾向にありました。そこで、入院患者の急変・死亡例の経過分析を行い、平成30年度から急変予知や早期対応により予期せぬ死亡を減少させ救命率を向上させる取り組みを開始しました。ベッドサイドでの看護師の観察方法を見直して標準化を図り、エビデンス(科学的根拠)に基づき測定した患者さんのバイタルサインをスコア化し、結果からリスク予測とそれに応じた対応ができる院内ガイドラインを作成しました。患者さんの重症度評価の精度を向上させ迅速な院内連携を促進し、円滑なチーム医療を提供して、救命率を向上させることを目的としています。この取り組みを開始してから、院内急変発生件数は有意に減少しています。

2022年度の死亡率は、重症の新型コロナウイルス感染症患者を受け入れていた2020年度・2021年度と比較すると減少しており、参考値と大きな違いはありませんでした。

当院では、死亡退院された患者さんの中から症例を選び、診療過程が妥当であったか等を検討するカンファレンスを定期的に行い、質の高い診療を提供できるよう、病院全体で取り組んでいます。