病院紹介

4.心不全患者の再入院率

項目の解説

心不全とは病名ではなく、「心臓の機能がうまく働かなくなった状態」のことを表しています。原因は一つではなく、心筋梗塞、心臓弁膜症などの心臓疾患や高血圧など様々な疾患が心不全の原因となります。

 

心不全は、うまくコントロールができなければ、再発を繰り返す予後も悪い疾患です。また再発を繰り返す事で医療費も余計にかかってしまうという問題もあります。

 

しかしながら、薬物療法や生活習慣の改善など予防法はいろいろあります。そして、それが奏功しているかをしっかりとモニタリングすることが重要です。

 

この指標は、心不全患者の適切な管理ができているかを評価する重要な指標となります。

 

定義・計測方法

 

年推移

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017(平成29)年度に心不全で循環器内科へ入院した患者さんは148名で、そのうち14名(9.5%)が退院後42日以内に再入院となっていました。また、再入院対象期間を180日(6ヶ月)とすると、16.9%(25/148)となっていました。平成29年度は地域サービスとの連携を目的に、慢性心不全認定看護師が中心となって、心不全患者さんごとの心不全管理のポイントなどを訪問看護ステーションと情報共有する取り組みや患者さんへ直接連絡して家庭での様子を伺ったり必要があれば指導を行ったりする取り組みを開始しました。

心不全の病期分類は「図1」に示している、「ニューヨーク心臓協会(New York Heart Association;NYHA)」が定めた心不全症状の程度の分類がよく使用されています。心不全の重症度を4種類に分類し、数字が大きくなるほど、より症状が重い状態ということになります。これは心不全患者の入院の基準としても使用され、NYHA分類Ⅲ・Ⅳ度の患者が該当します。入院基準はそれ以外にも、基礎疾患を合併する場合や外来管理が不可能と考えられる社会的要因がある場合などがあります(「医療情報サービス Minds」より)。

グラフ1は、年齢階層の患者さんの割合を年度別で示したものです。後期高齢者である75歳以上の患者さんの割合が大きくなっており、心不全患者さんの7割を占めていました。入院時の年齢も年々上昇傾向にあり、2012年度から約2歳上がり80歳前後となっています(グラフ2)。また、退院後42日/180日以内に再入院する患者さんの平均年齢も有意に高くなっていました(グラフ3)。

グラフ4は、NYHA分類の患者さんの割合を年度別に示したものですが、NYHAⅢ~Ⅳの患者さんが約9割を占めており、特に症状の重いNYHA分類Ⅳの患者さんは約半数を占めています。そして、NYHAⅢとⅣの患者さんの約3割が再入院となっていました(グラフ5)。

当院では、75歳以上の心不全患者が多くなっているため、CGA(高齢者総合的機能評価)などによる問題点の把握、評価等が必要となってくるのではないかと考えられました。今後もこのモニタリングを継続し、医学的なことはもちろんのこと、患者さんへの生活指導、教育や外来での適切な管理ができているか、何か問題はなかったかなどを継続したデータ蓄積と分析から検討し、外来での適切管理とセルフケア教育へと継げて行きたいと考えています。