病院紹介

5.インシデント・アクシデントレベル指数

項目の解説

1つの重大事故の背景には、29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在すると言われています(ハインリッヒの法則)。今までは重大な事故防止策は、インシデントや有害事象の数を少なくすることと考えられていました。しかしこれからは、患者さんに影響のなかった事例や予防に成功した事例の中から、改善策を見つけるということも重要だと考えています。そのためヒヤリ、ハット事例(レベル0、1)の報告も推奨しています。

 

この指数は、提出されたレポートのレベル割合を数値化したものです。報告体制がきちんと整っているか、ヒヤリハット報告の意味が現場できちんと理解、周知されているかを知ることができます。

 

 

定義・計測方法

 

年次推移

 

 

【 グラフ1 】 インシデント・アクシデント年度別割合

 

インシデント・アクシデントレベルを数値化し、年別で表したものです(レベル0を「0点」、レベル1を「1点」として、それぞれ報告数に乗じ全体の報告数で除しています。レベル0の報告が多ければ、指数は0に近づきます)。2020年度は2019年度と比較し、指数が約0.3ポイント上昇していました。

グラフ2は、当院のインシデント・アクシデントレポートのレベル別割合を示しています。約7割はレベル1以下となっていますが、2020年度はレベル2A(経過観察)の割合が増加していました。要因は入院患者の転倒転落の発生率が上昇したことが考えられます。

ヒヤリハット報告分析を行い、その対策を行うことで重大な事故を防ぐことができます。そのためにも、今後もこのモニタリングを続け、患者さんの状態に何らかの影響や変化があった時だけ報告するのではなく、事故を予防できた成功例の報告をする意味と重要性について啓発を行い、組織体制を構築していきたいと考えています。