病院紹介

4.急性脳梗塞患者さんの早期リハビリ開始率

項目の解説

脳の血管が詰まることで起きる脳梗塞の患者数は、高齢化に伴い増加傾向にあります。また、脳梗塞は、日本人の死因の第3位を占める「脳血管障害(脳卒中)」のひとつで、脳卒中の約6割を占めるとされています。

 

近年では脳血管疾患治療技術の発達により、脳梗塞の死亡率は低下する傾向にありますが、その一方で、家族や周囲の介護・介助を必要とするさまざまな後遺症が残ることの多い病気でもあり、後遺症による「本人の生活の質(Quality of life:QOL)の低下」が問題となってきています。

 

急性脳梗塞では、急性期治療をすすめつつ、できるだけ早くリハビリテーションを開始する必要があります。

 

早期リハビリテーション開始率は、在宅復帰率とともに重要な指標です。

 

 

定義・計測方法

(※)発症から3日以内に入院した患者さん

 

 

【年推移】

参考値

出典 :日本病院会 QIプロジェクト 2021年度

       脳梗塞患者における入院後早期リハビリ実施患者の割合 対象病院306施設の中央値

 

 

この指標は、土日、祝祭日も含めた入院後3日以内の開始率です。当院の2021年度の入院から3日以内のリハビリ開始率は94.8%と、参考値と比べ高い結果となりました。また、直近3年間でも90%以上となっていました。

以前は、土日祝日などの休日の関係でリハビリの開始が平日入院より遅れて開始されるなどの事例の影響で、開始率は80%~90%となっていました。そこで、平成25年4月より、リハビリテーション科が土曜日出勤を開始し、新規リハビリ指示に対応できるようにしました。更に、同年7月からは、3連休となる月曜祝日も勤務するなど、リハビリ提供体制をさらに強化しました。また、各病棟に担当者を配置し朝の申し送りから、カンファレンスに参加することにより、リハビリの必要な患者に早期に介入できるようになりました。また、2017年2月にはSCUが開設され、専任のセラピストを配置して、早期からの積極的な離床、さらに安全で質の高いリハビリテーションを目指しており、患者数も増加している中で病棟担当者を強化し、医師、看護師と連携が図れてきたと考えています。

今後も、多職種と情報共有を図ることで早期介入に努めていきたいと思います。