診療科・部門

リハビリテーション技術科

理学療法とは

病気、けが、高齢、障害などによって運動機能が低下した状態にある人々に対し、運動機能維持・改善を目的に運動療法や、物理療法(温熱、電気など)を行います。

 

身体の機能低下(筋力が落ちる、関節が硬くなるなど)の改善のみならず、基本的な動作(寝る、寝返る、起き上がる、座る、立ち上がる、立つ、歩く)の改善も促します。

 

当院では、理学療法士25名が在籍し、脳血管疾患、運動器疾患、呼吸器疾患、心大血管疾患、糖尿病や腎機能障害、がん患者など様々な患者様に対応しています。入院直後から超早期に理学療法を開始し、できるだけ運動機能の低下を予防し早期に社会復帰ができるようにお手伝いをさせていただいています。

 

   

作業療法とは

病気やけがで治療を受けておられる方に対し、その時の症状に合わせて、①こころとからだの基本的な機能、②食事やトイレ、家事など日常生活で必要となる能力、③職業復帰や地域活動への参加など社会の中に適応する能力の3つを維持、改善し「その人らしい」生活の獲得を目指していきます。

 

当院では作業療法士9名が在籍し、発症超急性期から脳梗塞・脳出血などの脳血管疾患、手の外傷・骨折などの運動器疾患、呼吸器疾患や心大血管疾患、がん患者のリハビリテーションまで幅広く対応しています。

 

「病気になったばかりで生活の事なんて考えられない」と思われる方もいると思います。しかし、発症早期から身体機能面・高次脳機能障害・QOLなどを考慮して、日常生活や社会生活の予後予測と、それに合った治療を行います。そして、住み慣れた環境でその人なりの生活が送れるよう支援を行い、豊かに生きるための生活の実現ができるように努めてまいります。

 

   

言語聴覚療法とは

言語聴覚療法とは、ことばの障害(失語症や言語発達遅滞など)、きこえの障害(聴覚障害など)、声や発生の障害(音声障害や構音障害)、食べる機能の障害(摂食・嚥下障害)などに対して、様々なテストや検査を実施し、評価を行った上で、必要に応じて訓練、指導、助言その他の援助を行います。

 

当院では、言語聴覚療法士4名が在籍し、主に急性期脳血管疾患を中心に、失語症、運動障害性構音障害、高次脳機能障害に対する評価・訓練を行っています。また、脳卒中や嚥下性肺炎などを対象に嚥下評価・訓練を行い、嚥下サポートチームや栄養サポートチームとも連携し、早期に栄養確保ができるよう取り組んでいます。

 

疾患別のリハビリテーションの紹介

脳血管疾患のリハビリテーション

脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などにより脳に損傷が生じ、身体機能障害や高次脳機能障害(認知、記憶、失語など)を呈した患者さんが対象です。

 

当院では、2017年2月より脳卒中専門病棟、Stroke Care Unit(SCU)を6床開設し、超早期から集中的なリハビリテーションを行なっています。医師・看護師・リハビリテーション・他職種がチーム一丸となって、治療にあたり、早期からの積極的な離床、さらに安全で質の高いリハビリテーションを目指しています。

 

  

運動器疾患のリハビリテーション

運動器とは、骨・関節・筋肉・腱・靱帯・神経など身体を支えたり動かしたりする組織・器官のことを指し、この部位の障害に対してリハビリテーションを行います。

 

当院では、ドクターヘリや救急車など受け入れが多く、けがの手術、脊椎センターからの脊椎の手術、末期の変形性関節症に対する人工関節置換術、手の外科、スポーツ中のけがに対する前十字靱帯再建術など、手術後の患者さんが主な対象です。手術前から主治医と手術のカンファレンスを行い、術後スムーズに関われるように取り組んでいます。手術翌日より、離床を開始し、元通りの生活に戻れるよう、積極的なリハビリテーションを行っています。

 

 

呼吸器疾患のリハビリテーション

肺炎・COPD・間質性肺炎・ARDSなどの呼吸器疾患、人工呼吸器を装着された患者様を中心に、集中治療室、救急病棟、その他病棟の看護師とも協力してチーム医療にてサポートしています。

 

人工呼吸器装着早期から、排痰手技や呼吸介助手技にて楽に呼吸ができるようにアプローチをしながら、全身状態や呼吸器のモニタリングを行い、装着下での半腹臥位療法、ベッドアップ・端座位療法、立位など離床に至るまで、看護師と協力して行っています。

 

介入早期には、セラピスト同士でもチーム介入し、早期の人工呼吸器離脱に向けて命と向き合っています。

 

心大血管疾患のリハビリテーション

心筋梗塞、狭心症、心不全の患者様が対象です。

 

当院には心臓リハビリテーション指導士7名(Dr2名、PT3名、臨床検査技師2名)と心不全認定看護師、栄養士からなる心臓リハビリチームがあり、入院リハだけでなく外来リハも積極的に実施しています。

 

運動耐容能向上のための運動療法だけでなく、食生活の改善など生活習慣を改善するための知識を楽しみながら学び、心臓病の再発予防に活かせるように取り組んでいます。

 

がん患者のリハビリテーション

当科のがんリハビリテーションは胃癌や肺癌などの内臓疾患・急性骨髄性白血病などの血液疾患などを対象としています。

がんリハビリテーションの研修を受けた20名のセラピストを有し、入院中だけでなく外来通院中の患者様の状態に応じて、リハビリテーションのフォローができる体制を作っております。

 

医師・看護師・薬剤師・管理栄養士とともに患者様の状態を評価しており、入院では「緩和ケアラウンド」を週2回、外来では「外来化学療法個別指導」を隔週で実施し、多職種で患者様のお話を伺いながら治療中の生活指導を行っております。エアロバイクなどの有酸素運動や筋力増強運動、苦痛除去のためのリラクセーション、退院後の生活環境の支援など幅広いリハビリメニューを展開しております。

 

外来血液透析患者のリハビリテーション

透析患者さんの体力は低下する傾向にありますが、運動をすることでADLやQOLを向上できると言われています。

当院では、医師・看護師と連携して運動習慣、身体機能、ADL、QOLを評価し、一人一人に合った運動指導と生活指導を行っています。指導後も、運動が継続できるように関わらせて頂いています。

 

糖尿病患者のリハビリテーション

糖尿病治療の3本柱として食事療法・運動療法・薬物療法があります。

当院ではインスリン導入や糖尿病教育目的で入院された方に対して、医師の指示のもと、理学療法士・アスレチックトレーナーが運動指導を行います。まず、運動を行うことの効果やリスク管理、運動の種類、強度、時間などを説明します。そして、実際に歩行や自転車エルゴメーター等の有酸素運動、重錘やトレーニングマシーンを用いたレジスタンストレーニングを行い、退院後も継続できる運動の指導をしています。

リハビリテーション技術科の当院における役割

  • 各病棟のカンファレンス、退院調整カンファレンス
  • 緩和ケアチーム
  • 3Dサポートチーム(認知症に関するチーム)
  • RSTチーム(呼吸器に関するチーム)
  • NSTチーム(栄養サポート)
  • 口腔ケアチーム
  • 肺炎嚥下チーム
  • 糖尿病チーム
  • 褥瘡チーム
  • 外来化学療法チーム   など

定期勉強会の開催

  • 朝の勉強会(30分程度) 週1回
  • 朝の症例検討会(30分程度) 週1回
  • 脳血管患者の症例検討会(20分程度) 週1回
  • 地域の医療者を対象とした勉強会の企画開催 隔月1回
  • 伝達講習会 不定期

資格・所属学会の紹介

有資格者

  • 3学会合同呼吸療法認定士:8名
  • 心臓リハビリテーション指導士:2名
  • ケアマネージャー:2名
  • 住環境コーディネーター2級:10名
  • 福祉用具プランナー:3名
  • 日本体育協会公認アスレティックトレーナー1名

所属学会

  • 日本心臓リハビリテーション学会
  • 日本嚥下医学会整形外科学会
  • 臨床スポーツ医学会
  • 日本緩和医療学会
  • 日本高次脳学会
  • 肩関節学会
  • 日本摂食嚥下リハ学会
  • 脳外臨床研究会  など

令和2年度の実績

  • 疾患別件数
疾患別件数令和元年度令和2年度

脳血管

32,719

31,580

廃用 21,751 20,428
運動器 28,645 27,591
心大血管 4,826 5,292
がん 11,242 9,066
  •  診療科別件数
診療科別件数令和元年度令和2年度

内科

1,007

196

糖尿病内分泌内科 3,612 604
腎臓内科 6,415 1,547
血液内科 - 5,180
脳神経内科 15,071 11,801

呼吸器内科

2,821 2,735
消化器内科 5,156 4,991
循環器内科 7,495 7,032
小児科 144 36
外科 4,524 4,429
整形外科 28,147 27,804
形成外科 752 806
脳神経外科 14,957 16,367
心臓血管外科 - 652
泌尿器科 1,344 1,192
産科・婦人科 338 312
眼科 47 12
耳鼻咽喉科 466 506
救急集中治療科 6,452 7,764