診療科・部門

安全管理室

用語集


アクシデント(医療事故)

医療行為を行って、予期された経過外のことが起こり、患者さんになかなか治らない傷害や後遺症が発生した、あるいは死亡した場合にこれを医療事故と呼んでいます。

 

予期せぬ経過をたどり重篤な傷害が起こった場合を、医療事故と呼びますが、医療事故には2つの種類があります。一つは過失に因る医療事故で、もう一つは過失のない医療事故です。過失の有無を問わず、かならず状況報告書(オカレンス報告)を提出してもらい、検討をおこないます。

 

インシデント

Incident (インシデント)を辞典でひくとsomething that happens、 any happening、事件、出来事、変わったことと出ています。またwithout incidentには支障なく、順調にとの訳がついています。すなわち物事が推移して行くうち、予想された順調な経過から外れたことが起こった場合、これをインシデントと呼んでいます。

 

医療においては、患者さんの病気がより良い経過をたどるようにさまざまな医療行為を行いますが、間違い行為により傷害が生じなかったかあるいは軽微にすんだ場合、あるいは間違い行為はなかったのに患者さんの病気の経過に予定外の軽微な支障が生じた場合、これをインシデントが発生したと呼んでいます。

 

例えば、間違った薬剤の投与、投与量の間違い、投与忘れ、器械操作の間違い、歩行時転倒してあるいはベッドから転落して擦り傷やこぶが生じた、点滴の針が抜けたなどがあります。

 

医療従事者は安全な医療の提供をモットーに日々の行為を行っていますが、上記のインシデントがどうしても少なくなく発生してしまいます。どんなに注意していても、人間は過ちをおかすといいます。病院の医療従事者は多忙の極みで働き続けているので、ついうっかりとかヒヤリ、ハッとする行為が多くなります。

 

多くの病院ではインシデントの事例を集めて、大きな傷害をもたらす医療事故発生の予防に役立てようとしています。その事例報告をインシデントレポートと呼んでいます。

 

注意していただきたいのは、“インシデントレポートの多い病院=危ない病院ではない”ことです。むしろ、「規模の割にインシデントレポートの少ない病院は安全対策が不十分である」と疑って下さい。当院はベッド数393床ですが、月に80~120のレポートが集まります。看護師からのレポートが多く医師から少ないために、医師に「もっとあるでしょう、出してください」と督促しています。

 

メディエーター(医療対話仲介者)

患者さんと医療者が向き合う場を設定し、対話を促進することを通して、関係再構築の支援をします。医療メディエーター(医療対話仲介者)はあくまでも、当事者自身による自主的な対話を促進する役割で、代理や代弁をしたり「解決案」を提示したりしません。あくまで当事者の患者さん・医療者が主役です。

 

リスクマネジャー

病院におけるリスクマネジメントとは医療安全を管理すること、リスクマネジャー(安全管理責任者)は、医療にともなうリスク(危険)管理を行う者に対する総称です。医療の高度化、複雑化に伴い現場では、様々なリスクが存在します。しかし、人間は完璧ではありません。

 

「人間はミスを犯す者である」ことを前提に、個人では防止しきれない問題を組織全体の問題としてとらえ、組織的、系統的に対策を講じていかなければなりません。リスクマネジャーは、この活動の中心となるものです。