診療科・部門

心臓血管外科

心臓血管外科とは

心臓や血管(動脈・静脈)の手術を行う科です。

 

当科の特徴

血管に対する手術を中心に、体への負担の少ない治療を目指しています

当科では、手術が必要な心臓や血管の病気に対する診療を行っています。最も力を入れている治療は、破裂すると致死的な腹部大動脈瘤に対する手術です。腹部大動脈瘤は、多くの場合、動脈硬化によって血管が脆弱になり、腹部の大動脈が瘤のように膨れ上がる病気です。破裂するまでは無症状で経過することが多く、健康診断や他の病気で撮像したCT検査などで偶発的に発見されることがほとんどです。当科では、従来の開腹による人工血管置換術だけではなく、体への負担が少ない血管内治療(ステントグラフト内挿術)も行っています。これによって、従来体力的に手術が難しかった高齢の患者さんなどにも治療の幅が広がっています。

 

また、わが国で15歳以上の人の40%以上に認められるとされる下肢静脈瘤(足の静脈がボコボコ腫れる)は、血管の病気の中で最もありふれた病気です。従来はストリッピング手術といって、静脈瘤になった血管を引き抜くような治療が行われていましたが、周囲の神経を損傷するリスクや少なくとも下半身麻酔が必要であり、比較的長い入院を要するといったデメリットがありました。当科では、局所麻酔によるカテーテル治療(血管内焼灼術)を行っており、この手術では術直後から歩行も可能であり、術後の傷口もほとんど目立ちません。

 

さらに、下肢の血管が動脈硬化によって狭くなる閉塞性動脈硬化症は、軽症例では歩行障害(歩くと足が痛くなる)が出現し、重症例では下肢が壊死に至る病気です。当科では、詰まった血管の中をくり抜く内膜摘除や、新しい動脈の経路を確保するバイパス術といった手術も行っています。

 

下肢静脈瘤や閉塞性動脈硬化症などの血管疾患は、下肢に潰瘍(皮膚が掘れたような状態)を作ることがあり、しばしば治療に難渋します。当院では下肢創傷治療センターを開設しており、当科を含めて循環器内科、形成外科、腎臓内科といった診療科と連携して下肢創傷の治療にあたっています。

 

なお、当院では対応が困難な循環器疾患に関しては、滋賀医科大学心臓血管外科とも連携して治療にあたっています。

 

 

主にこんな症状の方を診察しています

  • 胸の痛みがある(胸痛)

  • 動くと息切れがする(労作時呼吸困難)
  • 胸がどきどきする、脈が飛ぶ(動悸)
  • 足がむくむ(浮腫)
  • 歩くと足が痛くなり、休むと痛みがなくなる(間欠性跛行)

主にこんな病気を診察しています

  • 心臓
  • 虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞、虚血性心筋症)
  • 弁膜症(大動脈弁狭窄症・閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症・閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症)
  • 不整脈
  • 心筋症 
  • 大動脈

  • 急性大動脈解離
  • 慢性大動脈解離(解離性大動脈瘤)
  • 胸部大動脈瘤(大動脈弁輪拡張症、上行大動脈瘤、弓部大動脈瘤、下行大動脈瘤)
  • 腹部大動脈瘤   
  • 末梢血管
  • 内臓動脈瘤
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 急性動脈閉塞

  • 下肢静脈瘤