近年、超音波やCTやMRIなどの画像診断の進歩に伴い、早期の腎がんが検診や人間ドックなどで偶然に発見されようになっています。
本院では滋賀県で初めて小さな腎がんに対して、2016年8月に低侵襲治療である凍結療法を導入しました。
この治療は、通常の腎がんの手術と異なり、全身麻酔や大きな皮膚の切開を必要としません。CT画像をリアルタイムで観察しながら、局所麻酔をして専用の細い針を腎がんに正確に穿刺し、がんだけを凍結させて壊死させます。海外ではこの治療法の高い治療効果が多く報告されています。また、本治療は、正常な腎臓を可能な限り温存させる事ができますので、治療後に腎臓の機能を悪化させることはほとんどありません。
がんを凍結させている最中や術後は、痛みはほとんどありません。治療に要する時間は、がんの大きさや場所や個数により異なりますが、1.5~2.5時間程度です。
高度な穿刺技術を必要とする本治療は、放射線科の専門医が行いますが、治療の適応評価や説明などの外来診療、入院管理、術後の外来での経過観察は、泌尿器科の専門医が担当いたします。
入院期間は、最短で1泊2日で、早期社会復帰が可能です。
本治療の対象となるのは、がんの大きさが4cm以下の比較的早期の腎がんです。全身麻酔で外科的手術を施行するのが困難な場合や、外科的手術を希望されない場合であっても本治療は行うことが出来ます。2011年に保険適応と認定されていますので、健康保険が適応されます。
本治療を希望される場合には、泌尿器科の外来受診をお願いします。他の医療機関からの紹介受診は、地域連携室を通じて泌尿器科の診療予約をおとり下さい。
腎がん凍結療法の流れ