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脳神経内科

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よくある症状

1.頭痛

急性におこった頭痛で、これまでに経験がないひどい頭痛、突発して短時間でピークに達するような頭痛、熱がある、手足の麻痺やしびれを伴うような場合には至急受診して正確な診断を受けるほうがよいでしょう。

 

以前から同じような頭痛を繰り返している場合は慢性頭痛で生命の危険はないことが大部分です。片頭痛や緊張型頭痛が代表的です。片頭痛の特効薬や予防薬など最近はよい治療法もありますので、一度神経内科を受診されるとよいでしょう。慢性頭痛でも、頭痛が経過と伴に悪化してくるような場合には脳腫瘍や慢性硬膜下血腫などの可能性もあります。

慢性頭痛症を正確に診断できる医師はまだ少ないのが現状です。頭痛でお悩みで、現在の診察や治療に満足できない場合には頭痛を専門的に取り扱っている神経内科を受診してみて下さい。当科は、独自に作成した「頭痛問診表」を利用して、患者さんの頭痛の特徴をしっかり把握し、頭痛診療に役立てています。

 

慢性頭痛症の中には難治性のものもありますので、必ずしもすべての頭痛に対して完全に痛みを消してしまえる治療法があるわけではありません。現在の利用可能な治療薬、治療法を駆使して、頭痛による日常生活・仕事・家事・学業などへの悪影響を最小限にする努力を担当医師と患者さん御自身との共同作業で実施するものと理解していただくのがよいと思います。その際、「頭痛ダイアリー」を記載して頂くことがあります。「頭痛ダイアリー」では、頭痛の様子や頭痛薬の効果を毎日記載して頂くことで、御自身の症状を正しく把握するだけでなく、御自身の症状を正しく短時間で伝えることは、正確な診断と治療方針の決定に役立ちます。

 

2.うまく力がはいらない(脱力)

手に力が入らない、足に力が入らないなどの症状があると、上手に箸を使えなかったり、歩き難くなります。特に、急に体の片側の手足(例えば右の手足など)が同時に動き難くなったり、顔つきがかわったり(顔面麻痺)、呂律がまわらないときなどは脳卒中の可能性があるので、なるべく早く神経内科を受診されるようお勧めします。受診が早いほど治療が早くはじめられ、後遺症が少なくてすみます。手足に力が入らないなどの症状が緩徐に進行する場合は、慢性的に神経や筋肉が障害される病気の可能性があります。また、脊髄や手足の先にいく神経がいたんでも力が入らないことがあります。原因によって治療がちがいますので、まず神経内科で診てもらいましょう。

 

3.しゃべり難い、呂律が回らない

しゃべり難い、呂律が回らないの症状が突然出現する場合は、脳卒中の可能性があります。なるべく早く神経内科を受診されるようお勧めします。舌の動きが悪くなると呂律が回らなくなります。また、唇の動きや顔面の筋肉の動きが悪くてもしゃべり難くなります。なかには、頭で考えてわかっているのに言葉にしようと思うとでてこないという場合もあります。まず、どこが悪くてしゃべりにくいのかを見極める必要があります。神経内科にご相談ください。

 

4.歩き難い、ふらつき

下肢に脱力があり歩き難い場合、バランスが悪く歩き難い場合、力は入るのに足がつっぱってしまって歩き難い場合など、歩き難さには色々な原因があります。まず、なにが悪くて歩き難いのかをみつけることが肝心ですので、神経内科を受診してください。

 

5.ものが二重に見える

片目ではぼやけないが、両目で見るとものがぼやけて見えたり、二重に見えるときは視力自体の問題ではなく、眼球を動かす筋肉や神経がいたんでいる可能性がありますので、早めに神経内科を受診してください。

 

6.しびれ

「しびれ」とは、長く正座した後のようにジンジンする異常な感覚です。手足の感覚を脳に伝える神経の経路に病気が起これば、感覚が麻痺したり、刺激されて何も触れていないのにジンジンしたりします。いろいろな病気でこの経路が傷つきます。脳が侵されることもあれば、脊髄が障害されることもあります。脊髄から出て手足の筋肉や皮膚など全身に分布する末梢神経の病気でしびれが起こることもよくあります。侵される部位によって、病気の原因は実に様々です。急にしびれが起こったか、じわじわといつの間にか起こってきたかによっても病気の原因は異なります。内科の病気に伴って「しびれ」が起こることもよくあります。たとえば、糖尿病では末梢神経障害を起こしやすく、いつの間にかジンジン感が起こったり、急に痛みを伴って運動麻痺が起こることもあります。脊椎の病気、たとえば、椎間板ヘルニアや変形性脊椎症でも、脊髄や、脊髄から末梢神経が出るところ(神経根)で圧迫を起こしやすく、よく「しびれ」がみられます。脳卒中でも「しびれ」はよく出ます。

 

このように「しびれ」の原因は実にさまざまです。「しびれ」が出たら、安易に放置しないで神経内科か整形外科を受診されるのがよいと思います。神経内科か整形外科のどちらの科を受診したら良いか、わからない方は総合案内に御相談下さい。「しびれ」の範囲や程度により適切な受診科をお勧め致します。

 

7.めまい

めまいは、からだのバランスを保つ機能に障害が起こると生じます。めまいの感じ方は、「自分のからだが回っている」、「自分のまわりの地球が回っている」、「雲の上を歩くようにふわふわする」、「谷底に引きずり込まれるように感じる」など、さまざまです。からだの平衡をつかさどる器官には三半規管、耳石器、前庭神経、脳幹、視床、大脳皮質があります。このどの場所が障害されてもめまいがおこりますが、大きく分けると、耳から生じるめまい(三半規管、耳石器、前庭神経)と、脳から生じるめまい(脳幹、視床、大脳皮質)、さらに特に老人に多いめまいの3つに分けることができます。耳から生じるめまいの場合は難聴や耳鳴りや耳がふさがった感じを伴ったり、頭を動かした直後にめまいが生じることが多いので、このような方は耳鼻咽喉科受診をお勧めします。脳から生じるめまい(脳幹、視床、大脳皮質)の場合は、ふらつきを伴うことが多く、このような方は神経内科受診をお勧めします。

 

8.勝手に手足や体が動いてしまう、手足のふるえ

勝手に手足や体が動いてしまい、自分では止められないことがあります。いろいろな動き方があり、種類によって原因も違います。また手のふるえはよくみられる症状ですが、中にはパーキンソン病の始まりであることもありますので神経内科を受診しましょう。

 

9.ひきつけ、けいれん

手足をつっぱり倒れて泡を吹くてんかんが有名ですが、もっと軽いものもあります。筋肉がぴくぴくするようなけいれんもありますし、あしがつるというようなけいれんもあります。てんかんや筋肉の病気、神経の病気などいろいろな原因が考えられるので、神経内科で御相談ください。

 

10.物忘れ

年をとると「もの忘れ」をして困るという経験は、どなたにもあるかと思います。多くの場合、あまり心配いりません。しかし、もし「もの忘れ」がだんだんひどくなるようでしたら要注意です。ご自身あるいはご家族の方に、下記のような変化(症状)がありましたら、神経内科医などの専門医にご相談して下さい。