診療科・部門

頭痛外来

> 脳神経内科のトップページへ戻る

頭痛外来とは?

頭痛は多くの人が経験する症状ですが、人によっては痛みが強く、吐き気を伴い、仕事や勉強に支障が出る方もいます。また、周りが辛さを理解してくれず、サボっていると思われたり、受診しても「異常がないので痛み止めを飲んでください」と言われ、痛み止めを飲み続けたりしている方もいます。

 

一口に頭痛といっても300以上の種類が存在し、それぞれ予防法や対処法は異なります。診断が誤っていたり、頭痛の種類に適していない治療を選択していたりすると当然のことながら症状は改善しません。頭痛外来とは頭痛全般を専門に診療する外来です。専門の医師が問診で詳しくお話を伺い、検査を行って正確に診断し、患者さん一人一人に合わせたテーラーメイドの治療を行うことが可能となります。頭痛は病院で治療を受けることが可能な病気の一つです。「たかが頭痛くらいで」とためらわず、頭痛でお困りの方は一度頭痛外来の受診をご検討ください。

 

*頭痛の記録をつけるのに便利な「頭痛ダイアリー」というものがあり、こちらは日本頭痛学会のHPでダウンロードが出来ます。受診の前に記入していただけるとより正確な診断が可能になります。

 

 

頭痛の種類

一次性頭痛(慢性頭痛)

病気が原因ではない頭痛です。一般的に同じような頭痛を繰り返している場合は慢性頭痛で、生命の危険はないことが大部分です。

      • 片頭痛

        「ズキズキ」「ガンガン」と脈打つような強い痛みが特徴の頭痛で身体を動かすと痛みが増幅したり、頭が痛い時にまぶしい光や大きな音、たばこや香水の匂いに敏感になるのが特徴です。吐き気や嘔吐を伴うこともあります。頭痛は数時間から長いと3日間続く場合もあります。

        ストレスや寝不足、寝すぎ、飲酒、気圧の変化などが頭痛の引き金になりえます。女性の場合は月経前後や月経中、排卵期に頭痛の発作が続くことも多いです。遺伝することが多く、両親のいずれかが片頭痛もちであるとその子供も片頭痛もちになることがあります。


        > 片頭痛の治療についてはこちら

         

  • 緊張型頭痛

    後頭部を中心に頭全体に「締め付けられるような」重い頭痛を認めることが特徴です。首や肩の凝り、ふわふわするようなめまい感を伴うことがありますが、片頭痛とは違って吐き気はなく、身体を動かすと少し楽に感じることが多いです。

    頭痛の持続は個人差があり、数十分で収まる場合もあれば何日もダラダラと続く場合もあります。

  • 群発頭痛
    片側の目の奥にえぐられるような非常に激しい痛みが出現します。頭痛は2日に1回から1日に8回起こり、1度発症すると1~2か月の間ほぼ毎日のように繰り返し痛みがみられます。発作の際には痛みが出ているのと同じ側に充血がみられたり、涙が出たり、鼻詰まりがみられたりします。
  • 薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)
    元々片頭痛や緊張型頭痛を持っている人が痛み止めを飲む回数が増えるうちに脳が痛みに対して敏感になり、薬の効果が乏しくなった状態です。痛み止めを10日以上飲む状態が3か月以上続いている場合に起こります。

 

二次性頭痛

病気の症状として発生する頭痛です。早急に原因の疾患を診断し、治療を開始しなければなりません。

 

  • くも膜下出血、脳出血
    「これまで経験したことのないような痛み」や「バットで殴られたような痛み」と言われるような突然の激しい痛みがみられます。吐き気や嘔吐を伴い、そのまま意識を失う場合もあります。出血が少ないと、頭痛が目立たない場合もあります。放置すると再出血を起こし、急変し、場合によっては命に関わる場合もあり、速やかに画像の検査が必要になります。「今までの頭痛とは違う」頭痛を感じた場合はすぐに相談してください。
  • 脳腫瘍
    主要が大きくなるにつれ脳を圧迫したり、頭蓋骨の中の圧力が上昇することで頭痛や嘔吐、神経症状(手足のしびれ、麻痺、痙攣、眼のかすみなど)が起きます。朝方に強くなることが多く、頭痛で目覚めたり、起きてしばらくすると改善することがあります。
  • 脳髄炎
    脳を覆っている髄膜の炎症により頭痛が発生します。吐き気や嘔吐、高熱を伴います。

 

 

    • 治療の流れ

 

 

片頭痛の治療

片頭痛には急性期治療と予防療法の2種類の治療があります。

 

急性期治療

いわゆる「痛み止め」です。正しい痛み止めを選択すること、正しい内服タイミングを知ることで痛みを抑えやすくなります。

 

予防療法

毎日薬を内服することで頭痛の痛みを弱く、頻度を少なくする治療です。効果が得られるまでに2か月程度かかりますが、順調に治療が進めば、痛み止めが要らないぐらいまで改善する人もいます。

 

 

新しい片頭痛治療(抗CGRP抗体)

片頭痛の発作に関わるCGRPという物質を阻害することで、これまでの予防治療よりも高い効果で片頭痛の発作を抑え込む治療方法です。かねてより日本での治療開始が切望されていました。2021年4月より日本国内での治療が可能となり、当院でもこの抗CGRP抗体薬による片頭痛治療が可能です。

 

 

      • 診療日

       
      担当医 - 藤井 - 深沢 -