増加傾向にある大腸癌に対しては内視鏡検査による大腸癌検診を積極的に施行しています。
上部消化管と同様、拡大内視鏡診断やNBI診断により、悪性病変診断や内視鏡切除適応診断精度の向上に努めています。また、難病である潰瘍性大腸炎、クローン病の診断治療にも対応しています。
下図左はS状結腸癌、下図右は直腸癌。
ともに1年以上前から、少量の肛門からの出血を自覚されていましたが、痔出血を考え、放置されていました。
消化器内科では大腸内視鏡切除は病変のサイズにもよりますが、基本的には外来治療を施行しております。
術後に出血・腹痛などの症状を認めた場合には、専門医が対応させていだきます。
上段は有茎性のポリ-プです。
患者さんは無症状で便潜血反応が陽性で2次精密検査を施行しました。
右図の色素内視鏡では表層の粘膜パタ-ンに乱れを認め、組織検査にて早期大腸癌と診断されました。
上段は小隆起性病変(2a)です。
この患者さんは無症状で健診目的に大腸内視鏡検査を施行されました。
左図では表面の変化は乏しいですが、右図の色素内視鏡検査の上、粘膜下に切除用の薬剤を注入すると粘膜表面のパタ-ンに変化認められることがく描出されています。
切除組織診断にて早期大腸癌と診断されました。
潰瘍性大腸炎 | |
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潰瘍性大腸炎の経過観察中で、現在自覚症状は認めません。 炎症は軽度持続し、発症時から10年を経過している発癌の危険性が高く、定期的検査が必要です。 |
クローン病 | |
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薬物療法と食事の制限で自覚症状はみとめません。 しかし、小さい不整型の潰瘍と炎症に伴うポリ-プの多発が観察されます。 |
高齢者や重篤な疾患で長期的に臥床時に突然に新鮮血の下血が起こる事が有ります。
時に大量出血でショック症状を来たす事があります寝たきりのご老人でも起こりえることが有りますので注意が必要です。
止血処置が適切であれば予後は良好です。
上段左図は直腸潰瘍からの動脈性出血です。
上記左図は止血用の金属クリップで止血処置が完了しているところです。
大腸癌などの悪性腫瘍による消化管狭窄・腸閉塞に対して、鼻から消化管に減圧するチュウブを挿入していました。
最近では内視鏡を用い肛門からも減圧する事が可能となり、病態を早く治療する事ができるようになりました。