診療科・部門

肝胆膵疾患

概要

胆道結石症による閉塞性黄疸、化膿性胆管炎に対する緊急内視鏡検査・治療も24時間、専門医が対応しています。

 

ウイルス性肝疾患の治療

各種の画像診断と、肝機能の判定、最終的には入院の上肝生検を行ない、その組織の診断結果に基づきインターフェロンなどの治療を行います。

 

肝臓癌に対する非手術的治療

下図は肝臓の血管造影検査所見で2つの病変が認められます。

肝臓癌は血管増生が豊富であるために、血管造影下の治療が極めて有効です。

 

 

胆石症の内視鏡的治療

 

 

内視鏡により十二指腸の乳頭部という胆道の開口部から、総胆管結石の除去を行います。

前段階に、乳頭部を電気で切開し、開口部を拡大させる、乳頭切開術を施行している図です。

右図:切開後、乳頭部は開大しています。

 

 

上段左図は経乳頭的に総胆管結石の除去を施行しています。

上段右図は結石除去後、総胆管に狭窄病変を認めるために、胆汁の排泄を助けるためにドレナ-ジチュウブ(ERBD:内視鏡的逆行性胆汁ドレナ-ジ)を施行しました。

 

 

上段左図は内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)にて総胆管内の結石が確認されます。

上段中図は乳頭部から結石を除去するために、乳頭部をバル-ンにより拡張中で、総胆管内に細長い拡張用のバル-ンが観察されます。

上段右図は乳頭部から結石を除去するバスケットカテ-テルを挿入しています。

 

 

閉塞性黄疸の内視鏡検査

肝門部から中部総胆管の胆管癌による閉塞性黄疸症例。

ERCPにて確認し、左右胆管に金属ステントを挿入しました。

 

 

急性膵炎の集中的治療

急性膵炎のうち約30%は、重症化します。

重症化すると死亡率が20%以上となるために、当科では膵炎に対して積極的に集中的に治療を行ない、重症化の抑制、死亡率の減少に努めています。

通常の点滴などの治療に加えて、抗酵素製剤の動脈内持続注入法、血液浄化療法を併用し良好な成績をあげております。

 

 

左図:入院時のCT、このX線が撮影後に持続動注を開始して10日後が右図。
左図で認めた膵臓の腫大や周囲への滲出液が、右図で改善している。

 

 

重症膵炎において

抗膵酵素剤(nafamostat mesilateと抗生剤(imipenem)を用いた蛋白分解酵素阻害剤・抗生剤持続動注療法を施行した症例においては、同療法を行わなかった症例に比較し、死亡率および合併症発生率が低かったことが報告されています。

重症急性膵炎における血液浄化法は従来、急性腎不全に対する腎機能代行を目的として行われていますが、今日では膵炎に伴う炎症増悪因子の 除去効果を期待して施行されています。

当院において、重症膵炎に対し持続動注療法・血液浄化法を施行し、当院では急性膵炎による、死亡例は認めておりません。