診療科・部門

放射線科

インターベンショナルラジオロジー(IVR)

血管内治療や画像誘導下治療と呼ばれるものです。CTや血管造影装置などの高度な画像診断機器を用いて、局所麻酔でカテーテルを血管内に挿入することや、専用の針で病変を刺すことで、特殊検査や治療を行う手技です。全身麻酔は必要とせず、皮膚を大きく切る手術に比べて体への負担は少なく、入院期間も短くできます。また、選択的に治療を行いますので、正常の臓器をできるだけ温存できる特徴もあります。 当院では、頭部、腹部の領域を中心に専門の放射線科医が行っております。主な治療内容は以下の通りです。

1. 出血に対する塞栓術

目的とする血管のみを閉塞させ、出血を止める治療です。交通外傷や腹部の臓器損傷などに対してカテーテルによる選択的な止血を行うことで、正常な臓器を温存する事ができます。

【主な対象疾患 】
外傷性出血(肝臓破裂、脾臓破裂、腎臓破裂、骨盤骨折)、消化管出血、難治性鼻出血、喀血 

2. 血管形成術

詰まった血管を開通させたり、狭い血管を広げたりする治療です。特に、超急性期の脳梗塞に対して早期に詰まった血管を開通する手技は近年急速に広まってきており、当院では積極的におこなっています。また、透析シャントの狭窄に対しても迅速に対応しております。

【主な対象疾患】
超急性期の脳主幹動脈閉塞、内頸動脈狭窄、透析シャント不全/閉塞   

3. 腫瘍に対する動脈塞栓、動注療法

目的とする栄養動脈までカテーテルを進めて、選択的に薬剤や塞栓物質を注入する治療です。全身投与と比較して副作用を軽減でき、また局所の効果を高める特徴があります。また、近年新しく発売された球状塞栓物質を用いて、肝臓癌や子宮筋腫に対する治療も行っています。

【主な対象疾患】
 肝臓癌、子宮筋腫、腎臓癌、膀胱癌、転移性骨腫瘍、脳腫瘍(髄膜腫) 重症急性膵炎

> 子宮筋腫に対する動脈塞栓術(UAE)について詳しくはこちら

4. 動脈瘤や血管奇形に対する動脈塞栓

脳動脈瘤や腹部臓器の動脈瘤に対して、選択的に金属コイルを用いて塞栓する治療です。また、様々な臓器の血管奇形に対しても、塞栓術を行っております。

【主な対象疾患】
脳動脈瘤、腹部血管の動脈瘤、血管奇形(肺、腎、四肢) 

5. 経皮的リザーバー留置術

点滴による外来治療を可能とするため、カテーテルを体内に留置して、薬剤を注入するための小さな装置を皮下に埋め込む治療です。

【主な対象疾患】
様々な悪性腫瘍(特に大腸癌、胃癌、肝臓の悪性腫瘍、骨盤内の悪性腫瘍)

6. CTを利用した経皮的穿刺手技

皮膚を大きく切ることなく、CT画像を参照しながら細い針を体外から刺して、病変まで安全に進めて行う低侵襲の手技です。腫瘍の一部分を採取して病理診断をつける生検や、体内に貯溜した液体を吸引するドレナージ術、肝臓癌を焼灼するラジオ波焼灼療法(RFA)、小腎癌を凍結させる凍結療法など様々な手技を行っています。

【主な手技】
 腫瘍の生検(肺、骨、腹部臓器など)、膿瘍ドレナージ術、肝臓癌を焼灼するラジオ波焼灼療法(RFA)、小径腎がんに対する凍結療法

> 小径腎がんに対する凍結療法について詳しくはこちら