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 動脈塞栓術について 

 

 

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動脈塞栓術とは、血管造影検査の手技を用いて、経皮的に動脈内に挿入したカテーテル(細い管)を通じて、病変に関与する動脈を人工的に閉塞させる放射線医学的な治療法です。

国際的には「Interventional Radiology」、日本では「IVR」と言われる治療法のひとつに含まれます。

平たく言うならば、「カテーテルを使用した血管内治療」です。

動脈塞栓術は、全身の様々な疾患に対して既に25年以上前から行われており、手技的には新しい治療法ではありません。むしろ現代医学では確立された古典的治療法と言えます。

 

動脈塞栓術の治療効果は、次の2点に集約されます。

 

腫瘍に対しては、栄養動脈を閉塞させることにより、腫瘍を阻血・梗塞・壊死に至らしめます。その結果、腫瘍は縮小していきます。

出血病変に対しては、出血に関与した動脈を閉塞させることにより、止血効果が得られます。

 

動脈塞栓術の対象疾患は以下のとおりです。

 

1.腫瘍

悪性腫瘍 肝臓癌、腎臓癌、肺癌、子宮癌、膀胱癌、骨腫瘍など
良性腫瘍 脳腫瘍(髄膜腫)、肝腫瘍(血管腫、血管筋脂肪腫)、副腎腫瘍、腎腫瘍(血管筋脂肪腫)、骨軟部腫瘍など

2.出血病変

外傷性出血 肝臓損傷・脾臓損傷・腎臓損傷・骨盤骨折などによる出血
腹腔内出血 肝臓癌の破裂などによる出血
消化管出血 腫瘍・潰瘍・血管病変などによる出血
喀血 肺癌・気管支拡張症などによる出血
鼻出血 難治性鼻出血
腎臓出血 特発性出血、血管病変による出血
子宮出血 分娩後出血、悪性腫瘍・血管病変による出血
軟部組織出血 腫瘍、血管病変などによる出血
血管病変 動脈瘤、血管奇形などの破裂による出血。

このうち日常診療で最も行われている疾患は、肝臓癌です。

子宮筋腫に対しては、およそ20年以上前より海外で応用されています。